ご訪問ありがとうございます。
元教員、現在ママブロガーの、ののです。
緊張していた学級開きから数ヶ月。
すこし学級経営にも慣れてきて、担任のカラーがでてくるのが6月ごろ。
学級経営がうまくいっていれば、生活のリズムも身についてきて、毎回指示をださなくても子どもたちが自分で考えて行動できるようになるころです。
と同時に、学級経営がうまくいっていない場合には、いろいろな場面でひずみがでてくるころでもあります。
最近怒ってばっかりいる。
クラスで問題ばかりおきる。
そんなときにちょっと振り返ってみてほしいです。
次にあげるような「やってはいけないこと」やっていませんか?
そのまま続けていると、学級の機能がうまくはたらかなくなるかもしれません!
思い当たることがある人は、これ以上大きなトラブルや学級崩壊にならないために今からできることを紹介するので、できることから実践してみてください!
学級崩壊させないためにやってはいけないこと
そもそも学級崩壊とは?
そもそも「学級崩壊」という言葉は正式なものではなく、「学級がうまく機能しない状況」というのが正しい表現です。
でも「学級がうまく機能しない状況」ってどういう状況?
はっきりとこれ、と言ってしまうのはむずかしいのですが、教員などの大人の指導がとおらず授業や学校生活がままならない状態のことをさします。
授業をしても話を聞いていない。
教員の指示がまったくとおらない。
学級のなかでいろいろなものがなくなったり壊れたりする。
子ども同士のトラブルがたえない。
こうなってくると「学級がうまく機能しない状況」といえるでしょう。
一度学級の機能がうまくはたらかなくなると、そこから立ち直すのはなかなか大変です
そうならないために、「これをやっていると学級崩壊する可能性が高くなる」というNG行動があるので、当てはまっていないかチェックしてみてください。
見て見ぬふり
学級崩壊をまねく一番のNG行動は、「見て見ぬふり」です。
いくつか例をあげてみます。
- くつのかかとを踏んでいる
- 服装がだらしない、校則違反
- あいさつしない
- 掃除をちゃんとしていない
どうでしょうか?
クラスにこんな児童や生徒はいませんか?
ひとつひとつはちいさなことでも「まあいっか」と教師が見てみぬフリをしていると、こういう子どもが1人、2人とすこしずつ増えてきます。
なぜかというと、どこまで注意されるか子どもたちは大人のことをよーく見ているからです。
ここまではいけるかな?
あれが怒られなかったからこれも大丈夫かな?
子どもたちは大人のことを試しています。
服装やあいさつ、掃除など日常生活のみだれを見逃さず、ちょっとでも見つけたら必ず注意する。
最初は注意する機会も多くしんどいのですが、最初が肝心です。
ちょっとくらいいいか〜」と見逃していると、気付いたときにはもう手遅れ…
あとから注意しても、「だって前は注意しなかったじゃん」と言われてとりあってくれません。
こういったすこしの乱れを見てみぬフリすることが、学級崩壊の第1歩となってしまうのです。
トラブルをあやふやにする
「見て見ぬフリ」を続けていると、かならずトラブルが勃発します。
たとえばこのようなことです。
・ものがなくなる
・ものが壊れたままになっている
・子どもの持ちものがなくなる
・落とし物がふえる
・落書きがある
・悪口を書いたメモが落ちている
まずでてくるトラブルは「もの」に関することです。
掃除道具がこわれたままになっている。
学級文庫がなくなって戻ってこない。
落としものを「だれのですか」と聞いてもだれも返事しない。
これは立派な学級崩壊の兆候なのですが、こういったことを「ちょっとしたことだから」とうやむやにしていませんか?
ちいさなトラブルがおきてもうやむやにしていると、子どもたちのなかで「これはたいしたことじゃないんだ」という意識が定着していきます。
教員の目が行き届いている状態なら、掃除道具などのものを壊してしまったときは「だまっていてあとから怒られるならちゃんと正直に言おう」という気持ちになり、子どもの方から「壊しました」と報告してくれます。
でも日頃からトラブルがうやむやになってしまうようなクラスでは、「だまっていても怒られないしそのままにしておこう」と隠す方向にいってしまいます。
そんなクラス、学年、学校だと当然ものが壊れたままだれも何も言わなくなり、あちこちでものが壊れたりなくなったり、落書きが増えたりという状況になってきます。
わたし自身いろんな学校で働いてみて、学級がうまく機能していない状況も見てきましたが、学級崩壊しているクラスは例外なくクラスのものが壊れたりなくなったりしていました…
悪いところばかりに注目する
こちらは学級経営に一生懸命になるあまり、というところもあるかもしれません。
あれができていない、これができていないと注意ばっかり。
いつも怒ってばっかり…。
そんな日々を過ごしていませんか?
注意するのはけっして悪いことではありません。
いけないことをしていたら指導するのは大切なことです。
でも子どもたちの悪いところやできていないところばかりに注目していたら。
おとなでも悪いところばかり指摘されたらやる気を失いますよね。
注意してくる相手のことを嫌いになってしまうかもしれません。
いつも悪いところばかりが目についてしまうという人は、まわりから見ても負のオーラをまとっています。
子どもたちも何をやっても注意されるので次第にやる気を失っていきます。
そしてまた悪いところが見えて注意してしまう。
こうなってくると負のスパイラルです
自分ひとりでかかえこむ
責任感の強い人ほど、自分でなんとかしようとかかえこんでしまいがちです。
ですが、ひとりでかかえこむというのはは本当に大きなトラブルにつながりかねない危険な行動です。
クラスで問題がおきたとき、だれかに報告していますか?
たとえばこんな問題がおきたとき、みなさんはどうしていますか?
・同じ子どもが2日連続で欠席する
・子どもの持ちものがなくなる
・悪口を言われたと子どもから訴えがあった
どうでしょうか。
よくあることのように思えますが、このようなことがあったときにみなさんはだれかに報告していますか?
わたしは上記のようなことがあったときにはすぐに学年主任に報告し、なくなったものはすぐに学年単位で探してもらうようにしていました。
2日連続の欠席も、子ども同士でトラブルがあってその結果の欠席であることもありました。
そして、問題がおきたときにだれかにすぐ報告していれば「そのあとどうなったの?」と解決するまで気にかけてくれるので、自分のなかでうやむやにして終わることもありません。
ひとの力をかりて解決策が見つかることも多いです。
そして怖いのが、ちいさなことと思うことでもいじめの発端や不登校のきっかけになることです。
自分でなんとかしたい、うまくいっていないと思われたくないという真面目な人、責任感が強い人ほどおちいりやすい罠であり、報告するころにはとんでもない状態になっていた…なんてことも起こりうる怖い行動でもあります。
大きなトラブルをおこさないために今からできること
では、学級崩壊をさせないために今からできることはなんでしょうか?
大きなトラブルがおきてからでは立て直すのに大変な労力と時間が必要になります。
そうならないために今からできることを4つ紹介します。
できることから実践していけば、どんどん学級の状態がよくなるはずです!
ちいさなことでも大きくとりあげる
たとえばくつのかかとを踏んでいるとか。落書きされているとか。掃除道具がこわれているとか。
そんな些細なことと思うことでも、見逃さずにかならず注意します。
とくにものがこわれたままになっているときは要注意。
学級の状態が危険な方向にいこうとしているSOSのサインです!
なぜこわれたままになっているのか、すぐに時間をとって確認しましょう。
もしほかのクラスに関係している可能性があれば、すぐに学年集会をひらいてもらいましょう。
「ちょっとしたことでも見ているぞ」「あやふやにしないぞ」という姿勢を見せ続けることで、子どもたちのなかで「見られている」意識がつよくなってくるでしょう。
そうなってくると、ちょっとしたことでも教員に報告してくれるようになってきます。
この連鎖で、ちいさなトラブルも見逃さない、目の行き届いた学級経営の土台ができていきます。
ここで大切なのは、「自分が壊しました」と正直に報告してきたときには、「正直に教えてくれてありがとう」と壊したことを怒らないことです。正直に報告してくれたことが素晴らしいということをはっきり伝えましょう。
トラブルがおきたら徹底的に解決するまであやふやにしない
ものがなくなったり、いじめだと疑わしい行動があったりしたときには、徹底的に解決するまで向き合います。
だれがおこしたかわからないトラブルのときには、クラス全員に紙を配り、聞きとりをおこないます。
おきた問題についてなにか知っていることはないか、知らなければ問題がおきたことについてどう思うかを書いてもらいます。知っている人だけでなく、全員に書いてもらうことでペンを動かしやすくなり、自分ごととして問題をとらえられるようになります。
クラス単位で解決しなければ、学年、全校というように対象を広げていきます。
だれか傷ついている人がいるようなトラブルの場合は、面談の機会をつくって一人ひとりの考えを聞くことも必要になってくるかもしれません。
トラブルをおこしてしまった本人が、
「これはまずいことをした…」
と本気で焦る状況をつくる、ということが大切です。
たいていは罪の意識にたえられないか、だれかが見ているかによって、問題は解決します。
もしだれがおこしたのかわからなかったとしてもやってしまった本人だけはわかっていますから、「いつバレるのか」というドキドキとずっと付き合っていかなければいけません。
とにかく解決するまで向き合うんだという本気の姿勢を見せることが大切です。
いいところに注目して、みんなの前でとりあげる
教育の目的とは。
子どもの特性を理解し、そのいいところを伸ばしていくことでもあると思います。
だれだってほめられたらうれしいですよね。
自分のことを振り返ってみても、「いつだれにこんなことをほめられた」ってけっこう鮮明に覚えていたりします
いいところ、素晴らしい行動はどんどんみんなのまえで紹介していきましょう!
照れくさくも、イヤな思いになることはないはずです。
たとえばわたしがとりあげていたのはこんなことです。
・朝いつも教室の窓をあけてくれている
・掃除のあと、バケツまわりにとびちった水をふいてくれていた
・落とし物をひろってとどけてくれた
・欠席者のぶんまで係の仕事をしてくれた
やっている本人はそんなにたいしたことじゃないと思っていることも多いのですが、どれもだれかのためを思ってしている行動です。
まわりのためにする行動は、たとえちいさなことでもすばらしいこと!
今日はAさんが〜、Bさんが〜、と帰りの会でなるべくひとつ以上は紹介するように心がけていると、子どもたちが自分からどんどん積極的に思いやりのあるあたたかい行動をとるようになってきたのです。
紹介するほうもうれしいし、紹介されるほうもうれしい。
1日の終わりにほっこりした気持ちになってさようならできるので、とてもうれしかったのを覚えています
友達同士で紹介しあうのもいいかもしれません。
なにより効果が大きいのは、「◯◯先生から聞いたのですが、Aさんがこんなことをしてくれたそうです」という他人から聞いた話を紹介するパターンです。人づてにほめられるほど説得力のある話はありません。ほかの教員や子どもから聞いたいい話はどんどん紹介していきましょう!
ちいさなことでも報告する。まわりの大人をどんどん巻きこんで。
最後にとても重要なこと。
絶対にひとりで抱えこまない、ということです。
副担任や学年主任、養護教諭や管理職などどんどんほかの教員に報告して頼っていきましょう。
まわりの上司も、若いうちはいろんな問題を経験して、乗り越えてきています。
トラブルがおきるのなんてめずらしくないんです!何も恥ずかしいことではありません
まわりに相談することで、「こんなときはこうしたよ」という具体的なアドバイスをもらえるだけでなく、子どもたちを見守るおとなの目が増えていきます。
まわりに学級経営がうまくいっているなというクラスがあればその先生にアドバイスをもらうのもひとつの手です。
そしてときには、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどの専門家に話を聞いてもらう機会も必要です。
わたしも定期的に専門家に話を聞いてもらい、一緒に解決策を考えてもらっていました。
教員とはちがう目線で子どもたちのことを見ているので、解決策の幅もグッと広がります。
頼れる人はどんどん頼っていきましょう。
頼れる力というのは仕事をするうえである意味欠かせないスキルです。
子どもも教員も笑顔ですごすために
学級の機能を保っていくために重要なポイントを紹介してきました。
これらのポイントをおさえていけば、学級が崩壊しないだけではなく、子どもたちも教員も笑顔がふえ居心地のよい空間になっていくかもしれません。
いい方向にまわりだすとどんどんいい方向に向かっていき、担任業務も楽しめるようになってくるはずです。
私も学級開きのころはとても不安で不安で仕方なかったのですが、まわりの教員や専門家の助けを受けながら先ほど紹介したことをひとつひとつ実践していたら、3月の学年末のときには担任の仕事がとても好きになっていました。
子育てをひとりでするのは大変なのと同じで、学級経営もけっしてひとりでできるものではありません。
いいなと思ったものがあればぜひためしてみてください!
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